私の初恋それは10歳の時だった

「パパ、ママなんてだいっきらい!!!」

病弱な姉につきっきりのパパとママにヤキモチを妬いていた

「なんでお姉ちゃんばっかりなのぉ」

泣きながら大きな木のある丘まで走った

家の近くには大きな木がある丘がある

よく一人でその丘に遊びに行っていた

寂しくなったり悲しくなるとそこにいくとな
んでか落ち着いて楽しむことができた

「パパもママもきらぁい」

泣いても泣いても悲しくて悲しくてたまらなかった。

お姉ちゃんばっかりなのはしょうがないのは分かってる…

お姉ちゃんは小さい頃から体が弱いらしくこの前も熱を出して入院してしまった。

それからというものパパとママはお姉ちゃんにつきっきりだった

しょうがないことは分かってても悲しかった

丘の大きな木の下で膝を抱えてうずくまっていた

「どおしたの?」

頭の上から男の子の声が聞こえる

膝に顔をつけたまま小さな声で答えた

「パパとママに酷いこと言っちゃったの」

男の子は隣に座ったみたいだった

「ひどいこと?」

男の子は穏やかな口調で聞いてきた


「うん、パパとママはなんにも悪くないのにね星怜、嫌いって言っちゃったの…」

男の子の目を見て言うと

男の子は微笑みながら手を握った

その手はすごく暖かった

「僕も言ったことあるよ。でもちゃんとゴメンなさいしたら許してくれるよ!星怜ちゃんのパパとママだもん」

この言葉を聞いた時すごく安心できた

気づいたら涙も止まってたんだ

「星怜の事嫌いにならないかなぁ」

男の子は握っていた手とは反対の手で"ある物"を私の手においた

「…たんぽぽ?」

なんでたんぽぽなんだろう

「そお、たんぽぽ道でみつけたんだ!だから星怜ちゃんにあげる!たんぽぽってすごいんだよ!」

男の子はこう言った


"たんぽぽはこんなに小さくても強い"


「僕お母さんに教えてもらったんだ。僕もねこんなちっちゃいたんぽぽに負けないくらい強くなりたいんだ!」

男の子は笑顔で言ってくれた。


これが6年前の初恋の話

私はその言葉にたくさん励まされたんだ

あの時私を助けてくれた君

手を差し伸べてくれた君

名前も知らない君

あの時から私ね辛いことがあっても君を思い出すんだよ

また君に会えたら…