『せんせ・・』

「こんなチャンス、逃がせるかよ」

『チャンス?』

あたしたちは、速度を速めながら
ゴールだけを見ている。



「こんな、公衆の面前で
 堂々とお前の肩を抱けるなんて。
 チャンスでしかない」

先生が、ニヤッと笑う。
あたしはひるんでバランスを崩しそうになり、
先生が肩をぎゅっと力強く抱く。