「なんか言われた?」

『あ、ああ・・うん・・』


あたしは逃げるようにして背中を向け、
歩き始める。
亮介はあたしの隣に並び、ついてくる。


「なんだって?」

『べつに。たいしたことない』

「なんだよ。言えよ」

『た、体育祭の練習、
 もっとマジメにやれって』

「それだけ?」

『それだけ』