先生が、小さくクソッと毒づいてから、
もう一度あたしを抱きしめた。


「それ以上、可愛いこと言うな。
 いいか、よく聞け」


あたしを抱きしめたまま、先生が
とろけてしまいそうなほど甘い声で
ささやく。


「俺がガマンできなくなって
 理性をなくしたら、全力で逃げろ。
 振り向いたり、立ち止まったりせず
 俺から全力で逃げろ」