ハイバネーション 【完】

『竹井 泰三!』


シーンと静まり返った車内。
自分の心臓の音だけ
聞こえてくる。



―――ドックン ドックン―――



目を開けた途端、
先生に、抱きしめられた。



「も、1回、呼べ」



『竹・・井 泰・・三』


抱きしめられたまま
今度はゆっくりと
先生の耳元で、囁いた。