託された手紙を星野から受け取ると、 「大儀であった」 星野はさがった。 廊下へ出てほどなく、 「孫右衛門」 星野は振り返った。 その一瞬。 「…!」 桑折の脇差が、星野の腹を貫いていた。 「済まぬが、そちにはこうなってもわらねばならぬ」 とどめを刺すと、 「誰かある」 と桑折は、星野が乱心して抜刀したことにして、遺骸の始末を命じた。