門番が誰何すると、

「宇和島侍従家桜田玄蕃が家来、星野孫右衛門」

と呼ばわった。

随行していた桑折左衛門が引見すると、

「玄蕃さまから左衛門さまへの書状を携えております」

といい、座敷に平伏した。