ふた月ばかりすぎた頃、 「訊ねたき儀がござる」 と古内志摩と伊東采女が宇和島にたどり着いた。 「侍従さまにおかれましては」 と一連のことを秀宗に尋問しに来たのである。 「これは宇和島家中がことにて、仙台の方々へは何も答える立場にあらず」 と秀宗は答えている。