当然のことながら。 町には箝口令が敷かれ、仮に話したものは牢につながれた。 が。 何人か、命懸けで国抜けをしたものがあった。 全部で八人いる。 地元では小さな八体の地蔵を立て、 「八人さま」 と呼び、ひそかにまつられていった。 この八人によって清兵衛の死が仙台に伝わったのは、半年近く過ぎた辺りである。