「清兵衛、そはまことか」 秀宗は清兵衛に訊いた。 つまり。 そんな重大な事実を主君は知らず、清兵衛は政宗から聞いていたことになる。 「殿に隠して左様な大事を勝手にはかりおって、さては乗っとるつもりか」 さすがもとは最上の家来よの、と桜田は鼻であざわらった。 「昔聞いたことがある。かつて最上の太守は、妹婿の亡き左京大夫さま(政宗の父輝宗)を亡きものにせんと、山家国頼を送り込んだという話をな」 この爆弾発言は、この場においては特に絶大な力を発揮した。