しかしながら、と小簗川は、

「清兵衛の後ろには、青葉の殿がおわします」

「独眼竜、何か企んでおるな」

生まれながらの譜代である井伊直孝にすれば伊達政宗は、公儀に脅威をなす外様の大々名でしかない。

「ならば…」

と斬る真似をし、

「…しかあるまいな」

井伊は言った。