さて。 江戸の秀宗がいよいよ二度目の国入りをする…という段になって、宇和島伊達家ではちょっとした騒ぎが起きた。 毒見役が倒れたのである。 幸い症状は軽く、毒見役は一命を取り留めたが、そのタイミングというのが悪かった。 江戸出立のため将軍に挨拶をすべく、登城する日の朝であったからである。 これには江戸詰から、 「仙台の差し金ではあるまいか」 とされ、賄方に出入りをする魚屋や八百屋までが聴聞を受けるといった事態となった。