しかし。 「それは臆病風というものであろう」 と清兵衛は一蹴した。 清兵衛がいうには、 「なるほどわしを気に入らぬものが来て、二度や三度はどぶに投げ込まれるやも分からぬ」 しかるに、と清兵衛は、 「仮にわしに手出しをしてみよ。仙台に伝われば青葉の殿がどうなされるか」 それを考えれば迂闊なことは出来ぬはずだ、と清兵衛は言うのである。