しかし。 どういうわけか秀宗は政宗と、お世辞にも仲が良いとは言い切れないところがあって、 「まだ若輩者の兵五郎(秀宗)に所領など早い」 と、大坂の冬の陣のあと、政宗は家康からの知行の話を、一時は辞退させようとしたぐらいである。 これには土井利勝が、 「仙台どの、ならばいかがされるおつもりか」 とたしなめたほどである。