ならば、 「この家光が仲立ちの労を取ろう」 と家光はその場で松平伊豆守信綱を呼んだ。 松平伊豆といえば、知恵伊豆とも呼ばれた切れ者でもある。 「伊豆、秀宗をここへ召し出せ。それと」 酒肴の膳をこれへ、と命じた。 こうなると。 政宗といえども手足が出せなかったようである。