そうこうするうちに。

政宗が汐留の上屋敷に着いた。

ほどなく政宗は江戸城中へ登り、将軍秀忠へ拝謁を願い出たが、

「将軍は不例である」

と仰せ出だされ、拝謁はかなわなかった。

すると。

世嗣ぎの家光から、

「伊達のおやじどのが江戸に来たのか」

とあって、家光のもとへと政宗は召し出された。