嗚呼、どうせなら
私も連れていってくれればよかったのに。
今からでも
迎えにきてよ。
なんて思って
君のお母さんの顔が浮かんだ。
『夏希ちゃんの気持ちが
 落ち着いてからでいいから
 あの子の話を、夏希ちゃんから聞きたいな。』
君のお母さんは
君と一緒で優しいよね。
私が後を追わないようにって。
きっと、そう思って
言ってくれた。
自分だって苦しいのに
相手のことを気遣える優しい人。
いつか。
君が逝ってから
あまり考えることのなくなった未来を、
少し君のお母さんのお陰で
考えられた気がする。
いつか。
いつか。
笑って君の思い出を語りたいなって。
でも、それは多分、当分先の未来。