学校に着いても考えるのは萩花のことばかり。
いつの間に俺はあんなガキを……って好きになんてなってねーし。
アイツが俺に好意を抱いていることくらい見ていて分かる。
それが素直に嬉しいと感じている自分がいることにも驚く。
あんなやつに好かれても嬉しくねーだろ。
俺、ついにおかしくなっちまったのか?
あんなガキのことなんてどうでもいいのに。
どうなったって俺には何も関係ねーのに。
あー…うぜえ。イライラする。
どのみち、俺は萩花に嫌ってもらわなきゃならねぇ。
そうするには方法は一つしかない。
…きっと、アイツは泣くと思う。
それで、俺を嫌いになって家に帰る。
もう二度と俺たちは関わらずにお互い忘れていく…それでいいんだ。
お互いにとって、それが一番ベストな方向なんだ。
萩花、俺とお前は
出会っちゃいけねぇ二人だったんだよ。
◇
「おかえりっ!」
学校が終わり、家に帰宅すると萩花がニコニコと微笑みながら出迎えてくれた。
ったく…本当にガキだな、お前は。



