【完】溺れるほど、愛しくて。




「バカにしないでよ。
あたしだって、料理くらいできるもん!」


「へえ。ガキなのに?
指切って泣き叫んでも知らねぇからな」



まるで、あたしを三歳児のように扱う慶さん。


だけどその表情は意地悪な笑みをうっすらと浮かべている。


“慶さんが笑ってくれるならそれでいいかな”なんて思ってしまうあたしはかなり慶さん中毒みたい。



「切りません!
また今度、絶対慶さんの次に美味しいカレー作ってあげる!」


「俺の次なのかよ」



意気込むあたしを見て、今度は短くハハッと笑った。


その笑顔はもう最高にカッコよくて高鳴る鼓動の音が自分の鼓膜にまで届く。



「だって、こんなに美味しいカレー作れる自信ないし…」


「これ、そんなに美味いか?」



まだカレーに手をつけていなかった慶さんは「いただきます」と言いながら口の中にカレーを運んだ。