【完】溺れるほど、愛しくて。





「今は他の余計なことなんて考えんな。
目の前にいる俺だけのことを考えてりゃいいんだよ」



それだけ言い放つと彼は自分の部屋に行ってしまった。


な、なに…今の。


慶さんはやっぱり何を考えているのか分からない。
優しい時もあれば、冷たい時もある。


そんなこと言われなくても、もう十分あたしの頭の中は慶さんでいっぱいだよ。



「慶さんの彼女になりたいな……」



なんて、この部屋に誰もいないのをいいことにぽつりと自分の願望を呟く。


なれるわけないのに。


あたしみたいなのが
慶さんの彼女なんて似合わなさすぎるし。