クルリ、と体を回転させて家に帰ろうとした瞬間
「可愛い子はっけーん」
「ラッキーだな。クソ美人じゃん」
目の前にガタイのいい男の人が二人現れて、思わず足を止めた。
彼らはあたしを上から下まで見てニヤニヤと気持ち悪いくらいの笑みを浮かべている。
「あの…」
「もちろん、俺らの餌食になってくれるよな?」
は?餌食?
あたしは人間だからこんなやつらの餌食なんてなるつもりはないんだけど。
「い、いや…」
「さ、行こうぜ」
隙をつかれてグッ、と手首を掴まれ動きを制される。
どうしよう……どこかへ連れていかれそうになる中、後ろを振り向いて
さっきの彼に助けを求めようとするけど、彼はこちらを向いているにも関わらず助けてくれようとはしない。