【完】溺れるほど、愛しくて。





「…慶さん!」



ゲームセンターの雑音であたしの声が聞こえないのか無視して奥へ入っていく。


あたしは急いで慶さんの後を追いかけて、後ろから腕をがしっと掴んだ。


何も言わずに振り向いた慶さんの表情はやっぱり怖くてゴクリと息を呑んだ。



「…またお前か。今度はなんだ?」


「あの…」


「聞こえない。
ここはうるせぇから外に出たほうがいい」



慶さんはゲームセンターから出て、せまい路地裏にあたしを連れてきた。


慶さんとの距離はほんのわずかで心臓が騒がしく音を立て始める。