「ここはお前みたいなガキが来る所じゃねぇんだよ」
「……」
「興味本位で来たら痛い目合うぞ」
興味本位って…全然そんなんじゃないし。
ただ、無心で歩いていたらここに着いていただけ。
「俺は忠告したからな」と最後に言うと彼はあたしの横をスッと通り過ぎて歩いていく。
甘ったるい香水の匂いがあたしの鼻を刺激し、彼女でもいるのかな……と直感的に思った。
この香水は男の人のものじゃないと思うから、きっと女の人のところで…
なんて、あたしには関係ないけど。
彼の背中を見つめた時、なぜだか分からないけど彼の背中から
とても大きな翼が生えているような、そんなふうに見えた。
「あんな服着ているからかな」
彼の着ていた服は黒がベースのTシャツで背中にはストーンで翼の形が作られていた。
それにしても……この街は治安が悪そう。
彼の言う通り、ここはあたしみたいなやつが来るところじゃないからもう帰ろう。