【完】溺れるほど、愛しくて。




「……」


「どうなんだ…?萩花」



何も答えたくなかった。
せっかく、慶さんの名前を知れて距離が縮まった気がしたのに。


ここでまた振り出しに戻ってしまうの?


誰もあたしを見てくれない寂しい日々に戻るの?


そんなのイヤだ。
あたしは自分の道を生きていきたい。



「……」


「何も言わないってことは
『嘘をついていた』ってことでいいのね?」


「……」



もう放っておいて。

いつもはこんな広い家の中に放っておいているくせに。



「いい加減にしろ、父さんも母さんも暇じゃないんだ」



何よその言い方。

仕方ないからここに来たんだとでも言いたいわけ?


そんなの最初から…望んでないし。
勝手に帰ってきたのはそっちじゃん。