何も楽しくない日々。
嘘を信じられて、軽蔑される日々
だけど、こんなこと誰にも言えない。
というより、言う人がいない。
すべて飲み込んで知らないフリをして我慢しながら生きるしかない。
憂鬱だなぁ…と思っていると担任の先生が入ってきてHRが始まった。
◇
「ねぇ、あんた。この男知らない?」
放課後、なぜだか知らない女子高生たちに絡まれて学校の近くの公園に連れてこられた。
そして、見せられたのは昨日あたしを家に連れて行った男の人だった。
「五十嵐 忍(いがらししのぶ)って言うんだけどさ」
「…知りません」
「嘘だ。昨日コイツの家から
あんたが出てくるのみたんだけど」
この人は最初からあたしがその五十嵐って人のことを知っていると分かっていて話しかけたんだ。
なのに、嘘をついている。
あたしだって、嘘をついた。
それはお互い様でしょ?