《萩花side》
「おはよう」
「おは〜、昨日のテレビ観た?」
次の日、学校の教室では楽しそうな会話があちこち飛び交っている。
そんな中、あたしはというと……
「あの子、昨日“Black City”から出てきたんだって〜」
「彼氏が四人くらいいるんだって!」
「何それ!四股!?」
聞こえてくるヒソヒソ話に耳を傾けていた。
そんなのどっから仕入れてくるの?
誰かが嘘を言っているしかありえない。
“Black City”に行ったのは事実だけどそれ以外は全部嘘だ。
この世界は嘘ばっかり。
誰かの憎しみとか嫉妬とかで生まれる嘘。
この学校に友達なんていない。
唯一の友達だった子は引越ししてしまってたまに電話するくらい。