彼はそういうなりあたしの顔に自分の整った顔を近づけてきて…さっきの光景と似ている。


さっきもこうやってキスされそうになったんだ、なんて呑気にそんなこと考える。



でも、どんどん近づいてくるからギュッと目をつぶった。

すると、上から低音ボイスが降ってきた。



「やっぱり、ガキだな。
俺はガキには興味ねぇから」


「ガキガキってうるさい!
いいもん!別に!帰るし!」



あたしはダッシュで“Black City”から出た。
せっかく会えたのに……感情のままに動いてしまって…台無しだ。


こんなの彼が言うようにあたしは完全にガキだよ。


明日も……こっそり来ようかな。


だって、会いたいんだもん。


彼に会えただけで少しだけどうしようもない寂しさが埋まった気がしたんだ。