「慶さんもだよ?」
「それは分かんねーな」
「えぇっ…!?」
じゃあ、慶さんは他の人結婚しちゃうかもしれないってこと!?
そんなの絶対嫌なんだけど。
せっかく幸せになれそうだったのに慶さんのせいで台無しだ。
「ウソだよ。
お前との指輪を以外はめるつもりはねーよ」
あたしの心は安心させるかのように落ち着いた声で言ったかと思いきや、ずいっと顔をあたしの耳元に寄せて
「……愛してるよ、萩花」
甘く痺れるような声でそっと囁いた。
トクンと飛び跳ねた鼓動は早鐘を打ち始めた。
赤面しているあたしを見て満足そうに、それでいていとおしそうにあたしを見て柔らかく笑っている。
もう顔は離れているのに耳にかかった吐息が慶さんの甘い存在をまだ耳に残している。
これから先もずっと、
あたしはこの人に溺れ続けるんだろうな。
寂しさも全部、キミへの愛しさに変わる。
キミに溺れるたびに
彼のことが愛しくて仕方なくなるんだ。
もう離れない。
だから、ずっとそばにいてね、慶さん。
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