「萩花!慶くん!おめでとう!」
お姉ちゃんがそう叫ぶと、会場のあちこちから「おめでとう」と祝福の声が上がった。
「お前はずっと俺のそばにいろ。
文句は受け付けねーから」
そういって、笑ったかと思うとぐいっ、とあたしの腰を自分の方に近づけてそっと唇にキスを落とした。
「なっ…!」
こんな大勢の人のまで…!
しかも、親もいる前でなんてことするの!?
赤面している人もいれば、呆れている人、笑顔でこちらを見つめている人、それぞれだ。
「慶さんってばこんなところで…」
「俺のってこと皆さんに
見せつけとかないといけねーなって」
はぁ…もうこの男はいつからこんな言葉がサラッと言えるようになったのよ。
そのせいであたしの心臓は異常なスピードで加速していくし、顔だってありえないくらい真っ赤だろう。
「萩花。そこ、ちゃんと空けとけよ」
あたしの左手の薬指をゆびさして、
あたしの大好きな笑顔を向けた慶さん。



