【完】溺れるほど、愛しくて。




「任せたよ」



それだけ言うと上田さんは舞台から降りて会場から出ていってしまった。


ここにいるのは気まずいだろうから仕方ないこと。



「お前…うちの娘に…」



今度はお父さんがものすごい剣幕で近づいて慶さんの目の前に立った。


だけど、慶さんはそれに怯むことなく
なんの躊躇もなく、言葉を発した。



「俺は彼女を一生をかけて幸せにします」


「何を根拠に……」


「彼女が心の底から大事だから…
いつでも笑っていて欲しい…からてす」


「…っ」



慶さんがこんなに頭を下げてくれるなんて…思ってもいなかった。



「泣かせるかもしれない、だけどその分のたくさんの愛情で彼女を包みます」



もう慶さんってば、あたしを喜ばして泣かす天才なの?



「……わかったよ。
ずっと、意地を張っててすまなかった」



とても寂しそうに、でも幸せそうに微笑んで言ったお父さん。