【完】溺れるほど、愛しくて。




あたしの気持ち……それは一つしかない。



「大好きだよ、慶さん…っ」



あたしはそう言って花束を受け取った。


意外と重くて落としそうになったけど何とか耐えた。


もちろん、周りはザワザワと騒ぎ始めた。


だってこれはあたしと上田さんの婚約式なのだから。


すると、パチパチパチと後ろから拍手が聞こえてきた。



「おめでとう、萩花さん」



拍手の音につられて後ろを振り向けば、そこにはやっぱり上田さんが拍手をしているのが目に入った。


どうして…拍手なんて。


あたしはあなたとの婚約をメチャクチャにしたのに。



「彼の気持ちの熱さには負けたよ。
こんなに想ってくれる人って
なかなかいないから大事にしなきゃダメだよ」



こんなときまでにっこりと優しく微笑んでくれる。


どうして、あたしの周りはこんなに優しい人たちばかりなんだろう。