【完】溺れるほど、愛しくて。




でも、仕方ない。
もうどうすることもできないんだから。


あたしはこの運命を素直に受け入れよう。



「萩花さん、キミが大人になったら
僕と結婚してください」



会場が一気に静寂へと包まれる。


この指輪を受け取るだけ…ただそれだけ。


早く、早く…受け取らないといけないのに体が素直に動かない。



「…は…」



───……ガチャ


『はい』と返事をしようとした時に突然扉が開いた。


静寂に包まれていたため、扉を開く音が会場全体に響いて誰もがそちらに視線を向けた。


誰なの……?

もしかして、狭間さんかな?


コツン、コツンと音を立てて近づいてくる足音。


扉の向こうから現れた人物をこの目で見た時、あたしは言葉を失い、目を大きく見開いて驚いた。



ど、どうして……?