【完】溺れるほど、愛しくて。




「では、まず初めに上田様から一言。
よろしくお願い致します」



隣にいた上田さんはマイクを受け取り、話し出した。



「この度は僕と萩花さんの婚約パーティーに
お越しくださりありがとうございます。

僕にはもったいないくらい綺麗な人の
婚約者になれるなんてとても光栄です」



笑顔で淡々と言葉を述べていく。

その横であたしは一人、一生懸命笑顔を作っていた。


ちゃんと……笑えてるかな?

不自然じゃない?



「素敵なお言葉をありがとうございました。
それでは、婚約指輪のプレゼントと行きましょうか」



ドクンドクン、と鼓動が
いつもよりもやけに大きく音を立てている。


緊張しているからとかじゃない。


ただ、この指輪を受け取ってしまえば
本当にあたしはもう後戻りはできない。


大好きでたまらない彼の腕の中に帰ることはできなくなる。