好きになれる自信は正直0パーセント。


そりゃあ、紳士的で優しいけどあたしが求める優しさはそんな優しさじゃない。


意地悪で冷たいくせにたまに優しくて不器用で…ってあたしってばまた慶さんのこと考えてる。



「そうですか、あまり緊張なさらずにね」


「ありがとうございます」



そういうと、上田さんはおじ様たちの方へ行ってしまった。



「萩花、今日は一段と綺麗だね」


「お姉ちゃん、ありがとう」



だけど、そういうお姉ちゃんこそ淡いブルーのドレスがよく似合っていて品があって綺麗だ。


五十嵐さんはパーティーには来れるはずもなく、紅嵐の倉庫にいるのだとか。


お姉ちゃんと五十嵐さんは徐々にではあるけど、交際に向けて進んでいっていると聞いた。


慶さんが背中を押してくれたのだと二人は言った。


やっぱり、三人は話し合って正解だったね。



「でも、笑顔はいつもの萩花のほうが可愛い」


「え?」