「…赤羽さん」
忍たちが出ていったからしばらくして入ってきたのは萩花の専属執事。
「さん付けとかしたくねーくせにいらねぇっす」
この人は俺のことが大嫌いなんだから。
「…赤羽、明日お嬢様は」
「知ってます。
一人で行動しちゃう彼女持つと大変っすね」
「でも、お嬢様は…!」
「分かってる。俺のためだって。
萩花は誰にも渡さねぇよ、俺の女なんだから」
きっと、この人は萩花のことを想って、わざわざ嫌いな俺のところまで来たのだろう。
「お前だとそういうと思ったよ」
ふっ、とおどけたように笑う執事。
でも、その笑顔はどこか切なげで儚いものだった。
たぶん、ずっと萩花のことだけを想い、
萩花のために生きてきたんだろうな。
「大事なお嬢様を俺が幸せにしてやるから」
お前の気持ちは無駄にしねぇ。
ちゃんと執事の分まで俺が萩花を幸せにする。



