「萩花…」


「もうこの話は終わりにしよう。
今は慶さんの無事をみんなで祈ろうよ」


「そうだな」



あたしたちは手術室の赤いランプが
消えるまでずっと手術室から離れなかった。


プツン、とランプが消えたのは手術室に入ってから二時間ほど経ってからだった。



「一命は取り留めました。
断言はできませんが、今日一日を乗り越えたらあとはもう大丈夫だと思います」


「…うぅ…」



お医者さんのその言葉を聞いてあたしの目からはポタポタと涙がこぼれ落ちた。


よかった…慶さんは生きてる。


慶さんはICUに入り、様子を見ることになった。


面会はできるそうなので、お姉ちゃんと五十嵐さんが気を利かせてあたしを一人で行かせてくれた。


ベッドに横たわって、酸素マスクを付けられている慶さん。


それだけじゃなくて、いろんな線に繋がれていた。