「慶さんのことを……よろしくお願いします」
あたしは彼と一緒にはいられないから。
あたしがいなくなっても寂しくならないように二人がそばにいてあげて。
「どういうこと…?
慶くんの彼女は萩花でしょ?」
「あたしはもう慶さんのそばにいられない。
四日後の今頃はもう他の人のものになってる」
言うつもりはなかった。
でも、二人に慶さんを頼みたかった。
「っ、」
「そんな…!」
あたしの言葉を理解したのか二人の表情は悲しげに歪んだ。
「あたしが決めたことだから…いいの。
慶さんの幸せのためだったらそれでいい」
またこうして三人で集まることができたらきっと慶さんはあたしがいなくても前に進めるだろう。
大丈夫、慶さんのためだもん。
「でも…なんで婚約なんて…」
「それは色々とあって…。
慶さんには絶対言わないでね」
「萩花…」
こんなときにあたしは何を言っているんだろう。
慶さんが大変なことになっているというのに。



