【完】溺れるほど、愛しくて。




「うぅ…いらない…」


「え?」



泣きながら言葉を紡ぐ。


こんなことになるなら
あんなこと言わなければよかった。



「いらないよ…
あたしの幸せなんていらない……っ」


「萩花?」


「だから、慶さんを助けて……っ」



お願い。あたしは世界一不幸になっても構わない。

だから、慶さんを助けてよっ…!


たとえ、一緒になれなくても彼はこの先…素敵な人と出会って恋に落ちて…結婚して…幸せな家庭を築くんだろう。


相手があたしじゃないのが…嫌だけど
それが慶さんの幸せのためだから。



「……ねぇ、お姉ちゃんと五十嵐さん」



お姉ちゃんの体から離れて、その場に膝まづいて頭を冷たい床に額が当たるくらい下げた。


「なにしてるの!?」


「頭上げてよ、萩花ちゃん…!」



ううん、上げれないよ。
慶さんのためだもん。全部。