【完】溺れるほど、愛しくて。




「どうして……」



どうしてあたしのためにそこまでしてくれるの?


この先、あたしは慶さんを
傷つけることしか出来ないのに。



「お前が…守れって…言ったんだろ……」


大きな手のひらがあたしの頭の上に置かれて、くしゃりと髪を撫でた。



『守るものがないなら
あたしのこと、守ってよ』



いつかキミに言った言葉。

あのときは冷たく流されたけど…覚えててくれたんだ。



「死なないで……っ」


「お前…残して…死ねねーよ」



ふっ、と無理やり笑う慶さん。
だけど次の瞬間、慶さんの意識はそこでなくなった。



「慶さん…!?」


「慶…!!」


「総長、しっかりしてください!!」


「病院だ!!早く!!」



紅嵐の倉庫が警察にバレるとまずいから慶さんを抱えながら少し移動してから救急車を呼んだ。


それから、慶さんは救急車で市内の病院に搬送された。


あたしと五十嵐さんだけ救急車に乗って慶さんと一緒に病院まで向かって手術室の前で手術が終わるのをそわそわしながら待っていた。


お腹の傷はかなり深く、出血も多いため命に関わる、とさっき手術室に入る前にお医者さんに言われた。