【完】溺れるほど、愛しくて。




相手の存在の大きさに、
きっと二人はもう気づいていたんだろう。


慶さんは五十嵐さんのことをずっと気にかけていたからこうして助けに来たし、

五十嵐さんは部屋に慶さんとの昔の写真を飾っていたし。


二人の絆はそっとやちょっとで壊れるようなものではないのだと改めて感じた。



「俺もどっかの誰かさんに仲間の大事さを教えてもらった。

そいつとは喧嘩もするけど、俺が辛いときはうぜーくらいそばにいて笑わせてくれた」



昔を思い出しているのか、ふっと優しく笑いながら話す慶さん。



「…慶」



二人の絆が再び繋がった瞬間だった。



───…ブゥゥーンッ、ブルルルンッ



だけど、そんなとき突然バイクの音が聞こえてきて


そちらに視線を向けるとあの日慶さんが一人で喧嘩した雷蝶が大勢でやってきた。



「よぉ、総長さん。
この前の続き、しにきてやったぜ」


「ちっ…うっぜぇな」



慶さんは立ち上がると紅嵐のメンバーを
かき分けて相手の総長に近づいていく。


やめて…っ

あんなに人数がいたら
さすがの慶さんでも勝てないよ…


紅嵐は100人ほどで
相手は200人は超えていると思う。