【完】溺れるほど、愛しくて。




彼らしい…と思った。


いつでも慶さんは
紅嵐のみんなのことを想っていた。


たとえ、裏切り者だと言われ続けても誰一人として紅嵐のメンバーを見捨てなかった。


形上、見捨てたように思えてもそれは誤解で今だって、こうして仲間のためにここにやって来た。



「大事なもん守るためにその拳を使え。
くだらねぇ喧嘩に使ってんじゃねーよ!」



最高にカッコいいよ…慶さん。

あたしは声が出ないように
口元を抑えながら静かに涙を流した。



「っ…!」


「今のお前らはクズだ」


「偉そうなこと言ってんじゃねぇよ…!
俺らのこと何も知らねぇくせに!」



慶さんに殴りかかっていったメンバーの拳を慶さんは自分の手で止めた。



「俺の知ってるお前らは
こんなことするような奴らじゃねーよ」



慶さんの言っていることは何一つ間違っていない。


人は間違いながらも生きていく。

ただ、その間違いに気づいたときどうするかが大切。



「赤羽さんだって…
俺たちのこと…裏切ったじゃないっすか」



ボソッと拳を下ろしながら言った男の子。

慶さんはその言葉を聞いて一瞬切なげな表情をした。