【完】溺れるほど、愛しくて。




慶さんに心の底から笑ってほしい。ただそれだけ。



「……いつの間にか立派になったのね」



お母さんはそういうとあたしをぎゅっと抱きしめてくれた。


やっぱり、母親の匂いは特別な安心感があって一気に安堵の波が襲ってきて涙が溢れ出てきた。



「…残りの時間を有意義に使いなさい」


「…あり…がとう…っ」



一緒にいれるのはあと7日間だけ。
そんなの、足りないよ。


ずっと一緒にいたいよ…っ。



「じゃあ、また来週」



しばらくしたら泣き止むとあたしは狭間さんの運転で“BlackCity”まで送ってもらうことになった。



「お嬢様、本当に婚約なさるのですか?」


「うん、そうなるね」


「……それでお嬢様は幸せになれるのですか?」



運転しながら狭間さんは質問をしてくる。
こんなこと滅多にないのになぁ。


いつもは冷静に運転しているのに。