あたしが居なくても……お姉ちゃんがいるじゃん。
お姉ちゃんはいい人だからもう一度惚れることなんて簡単だろうし。
なら、あたしが出す言葉は一つしかない。
「分かった。その条件を呑むよ」
「萩花…!いいの!?」
「お嬢様…っ」
お母さんや狭間さんは動揺していたけど
これはもうどうしようもないんだよ。
これがあたしの運命で、受け入れなきゃいけない。
あたしと慶さんはどうやっても結ばれることはできなかったんだよ。
「来週、婚約パーティーがある。
それに出席してもらう」
来週、か。
じゃあ、慶さんと過ごせる時間も
あとわずかしかないってこと?
「それまでは自由に過ごしなさい。
その代わり、約束を破ったら三人は会わせない」
「分かってるよ」
どうしようもなく、泣きたい。
ここで泣くわけにはいかない。
だから、あたしは足早に部屋から出た。
「萩花…本当にいいの?」
リビングを出てすぐお母さんがあとを追いかけてきたのか声をかけてきた。



