【完】溺れるほど、愛しくて。





「ああ。本当だよ。
その代わり、条件がある」



そういうことか……。
条件付きってことね。


本当にこの家の人は家族のことを考えているのか考えていないのか分からない。



「その条件は?」


「この人と、結婚しなさい」



そういってあたしの前に
差し出したのはお見合い写真。


たいしてかっこよくもない男の人が写っていて、歳はあたしよりも少し年上に見える。



「何言って……」


「この条件が呑めないなら、お前の願いは叶えん」



最低だ。
この人は会社のことしか頭にしかないのかな?



「そ、そんな……」


「あなた、それはさすがに……」



お母さんもそれはさすがにひどいと思ったようで止めに入ろうとしたけど、お父さんの権力に叶うはずもなく言葉を飲み込んだ。



「どうする?
父さんたちはどっちでもいいんだよ」



あたしは……どうしたらいいの?


この条件を呑めば、慶さんも一緒には居られない。

だけど、条件を呑まなければ三人はこのまま拗れたままだ。


慶さんの傷を少しでも癒す方法は三人が話し合うことだと思う。