「それは…っ」
「そもそも、あなたも
彼の元に返すとでも思ってるの?」
「っ、」
逃げられない。
それは昨日のうちから分かってた。
慶さんもそれが分かっていたからあんなことを言ったんだ思う。
守れない約束なんてしなけばよかったのかもしれない。
あたしがまた慶さんを傷つけてしまうかもしれないのに。
一度ここに戻ってきて
素直に彼の元に返してくれるわけがない。
「いいじゃないか。
その願いを叶えてやろう」
お母さんの意見とは違い、お父さんはそう言った。
その言葉に思わず自分の耳を疑った。
だってあのお父さんがそんなにすんなり受け入れるなんて何がおかしい。
「本当に!?」
「ちょっと、あなた!何言ってるの?!」



