【完】溺れるほど、愛しくて。




「萩花…!」


「心配してたんだぞ…!!」



そりゃあ、そうだ。
家を抜け出していたんだから。


でも、後悔はちっともしていない。



「今までどこにいたんだ!?」


「まさか、“BlackCity”じゃないわよね?」



それはあたしを心配してくれて言ってるの?


それとも、あたしまで危険な目に遭うと後継者がいなくなるから?



「赤羽慶さんにお世話になってた」


「なっ…!」



慶さんの名前を出せば、
思った通りぎょっと目を大きく見開いた二人。



「その人には会っちゃいけないわ!」


「なんでまたアイツなんだ……」



困惑している二人を他所にあたしは自分の気持ちを言うために口を開いた。



「全部聞いた。お姉ちゃんのことも。
どうして二人があの街を嫌うのかも分かった」


「だから戻ってきたってことか。
分かってくれたのね、萩花」



嬉しそうなお母さんだけどあたしは今からその笑顔を崩すことになる。



「戻らないよ、あたしは」


「え?」


「何をふざけたことを言っているんだ」



今日はその事でここに来たんじゃないもん。
もっと、大切なことを伝えるために来たんだ。