【完】溺れるほど、愛しくて。








翌日の放課後、久しぶりに家の門の前に立つ。

こんなに大きい家に住んでいたんだなぁ。



「お、お嬢様…!!」



後ろから声がしたと思ったら狭間さんが目を丸くして驚きながらあたしに駆け寄ってきた。



「狭間さん、お久しぶりです」


「お久しぶりです。
帰ってきてくださったのですね…!」



嬉しそうにあたしに笑顔を向けてくれる狭間さんには申し訳ないけど…戻る気は正直ない。



「中、入ってもいい?」



でも、そんなこと言えなくて話を逸らした。



「ぜひ!旦那様も奥様もいらっしゃいます」



狭間さんのあとを歩きながら家に入った。

ラッキーだ。今日は二人ともいるなんて。


そもそも、二人がいないとあの話は成り立たないんだから。



「久しぶり…です」



リビングに行くとお父さんとお母さんがソファに座ってコーヒーを飲んでいた。


あたしの声が聞こえたのか、カシャンとコーヒーを荒々しく置くとこちらに視線を向けた。