「俺のところに…戻ってきてくれる?」
「っ、」
弱々しいその声はあたしの胸を締め付けた。
背中から感じる愛しい彼の体温も耳にかかるその吐息もすべてが愛おしくて、たまらない。
「戻ってくるに決まってるじゃん。
戻ったきたら、一番にぎゅってして頭撫でてね?」
「甘えん坊だな」
「たまにはいいじゃん」
「うん、許してやる」
上から目線だけど、優しい口調だから何も思わないし、むしろ、ニヤけてしまいそうになる。
慶さんはあたしのワガママを全部受け入れてくれて、いつもあたしの背中をそっと押してくるんだ。
「……大丈夫。きっとお前の想いは伝わる」
その言葉はまるであたしの心を魔法にかけるかのようで、感じていた不安もすべてを吹き飛ばしてしまうから不思議だ。
そのあと、唇に落とされた甘い一番の特効薬にあたしの心は完全に癒された。



