【完】溺れるほど、愛しくて。




「……ウソだよ。そんな顔されたら襲えない。
何があったのかは知らないけど、家に帰りな。

あと、アイツとはあんまり関わらない方がいいと思う」



彼はそういって、あたしから離れてテレビのリモコンに手を伸ばした。


扇風機が回る音がやけに大きく耳に届く。



「すみません…」



あたしは一言だけ謝罪してから部屋から飛び出した。


怖かった……でも、一瞬だけどうなってもいいって思ってしまった。


そんなときに『お前はもっと自分のこと大事にしろ』さっきの赤髪の彼の言葉を思い出したらまた涙が溢れてきた。