【完】溺れるほど、愛しくて。




「ううん」


『じゃあ、野宿?!』


「赤羽慶」


『……えっ』



あたしが彼の名前を出した瞬間に明らかに動揺し、声のトーンが下がった。



「お姉ちゃんも知ってるでしょ?
あたし、今…その人にお世話になってる」


『どうして…知ってるの?』


「全部聞いた。
お姉ちゃんが入院することになった理由も」



あたしはお母さんたちからお姉ちゃんは事故だと聞いていたけど本当は違うかった。


慶さんの話を聞いてお母さんたちが“BlackCity”を毛嫌いしていたことも

狭間さんが慶さんは危険だと言っていた理由も全部理解出来た。



『そっか……ごめんね。
私のせいで慶くんと忍くんが仲悪くなったって聞いた』


「あたしに謝らないで?
ねぇ、お姉ちゃん。今日はお姉ちゃんの謝罪を聞くために電話したんじゃないの」



謝罪なら本人たちにしなくちゃ。
というか、お姉ちゃんは被害者なんだけど。



『…何かあったの?』


「お姉ちゃんは二人に会いたい?」